脂質異常症
脂質異常症とは、血液中の脂質、具体的にはコレステロールや中性脂肪が、異常値を示す病気のことです。
脂質異常症には3つの種類があります。
悪玉コレステロールが多いタイプ(高LDLコレステロール血症)
善玉コレステロールが少ないタイプ(低HDLコレステロール血症)
中性脂肪が多いタイプ(高中性脂肪血症)
普段自覚症状がないため放置してしまう方が多くいらっしゃいます。
放置してしまうと増えた脂質が血管の内側にたまっていき、動脈硬化になってしまいます。しかし、動脈硬化になっても、まだ自覚症状がありません。ついには、心筋梗塞や脳梗塞の発作を起こしてしまいます。

脂質異常症の早期発見には、採血検査を受けるしかありません。1年に1回は必ず健康診断などを受ける習慣をつけましょう。
脂質異常症になりやすい人とは?
家族に脂質異常症や動脈硬化の人がいる
高血圧または境界型高血圧がある
お酒をよく飲む
痛風がある
女性で、閉経している
肥満傾向である
日常的にあまり歩かない
糖尿病である。あるいは血糖値が高めだといわれた
肉や脂っこい食べ物が好き
甘いものや乳脂肪製品(生クリームや洋菓子)、果物が好き
心当たりがある項目が多いほど、危険が高いです。
脂質異常症への対策
脂質異常症の原因は、遺伝的な素因や他の病気に伴って現れるものもありますが、8割以上は過食、高脂肪食、運動不足などの悪い生活習慣や、それによる肥満があげられます。

コレステロールを上げる食品や多く含む食品は控えめにしましょう。
鶏卵、ベーコン、ソーセージ、サラミ、レバー、魚卵類(いくら、ししゃも等)、魚の内臓類やうなぎ、などは要注意です。
中性脂肪高値の場合は、アルコール、油脂、炭水化物食品(ごはん、麺類、パン、イモや糖質多く含む果物、砂糖など)は控えめにしましょう。
脂質異常症の予防のために、食事と並んで重要なのは運動です。
運動は、とり過ぎたエネルギーを消費し、脂肪分が皮下や内臓に蓄積されるのを防ぐ効果があり、また動脈硬化を防ぐ効果のもつHDLコレステロールを増やす効果もあります。
脂質異常症の治療
どうしても生活習慣が改善できない方や、生活習慣を改善してもLDLコレステロールや中性脂肪の数値が下がらない場合には、動脈硬化、さらに心筋梗塞や脳梗塞、閉塞性動脈硬化症へと進む危険性がどんどん高くなるため、薬による治療を検討します。
薬を飲んでいるからと安心せずに、根気よく自己管理を続けて、長い時間をかけてじっくりつき合う覚悟が大事です。