心房細動
最もありふれた不整脈で、脈が早く、バラバラになります(不規則な脈)。若い人は動悸などの症状を感じることが多いですが、高齢になると無症状であることも多いです。
心電図をとることで診断ができます。
加齢に伴って出現しやすくなり、40歳では0.5%以下ですが、60歳で2%、80歳で8%の人に認められるようになります。
原因は完全にはわかっていません。心臓に病気のない人にも起こりえます。
高齢者に多いことから、心臓の細胞の老化や変性が発症に関わっていると考えられています。
その他に生活習慣病やストレス、自律神経などの関与も考えられています。
心房細動になりやすいタイプ
以下の項目で2つ以上ある場合は心房細動が出る可能性があります。
心臓病のある人
脳梗塞の既往がある人
高齢の方(75歳以上)
高血圧の人
糖尿病の人
甲状腺に病気のある人
時々動悸発作のある人
ストレスのたまりやすい人
上記項目で5つ以上あれば心房細動がきわめて高くなります。気になる方は、心電図検査をお勧めします。
心房細動の何がこわい?
心房細動そのものは直接生死に結びつくものではありませんが、こわいのは血栓(血のかたまり)ができやすくなることです。心房細動が続くと、心臓内で血液が淀み、心臓内に血栓ができやすくなります。
心臓内にできた血栓が、心臓外にでると血流に乗って運ばれます。それが脳の血管に詰まると、脳梗塞(脳塞栓)を起こす危険があります。
1年間に脳梗塞を発症する率は、その人の年齢や基礎疾患(高血圧など)によりますが、2%以下~6%以上の発症率といわれています。
心房細動の治療
心房細動自体の治療は、症状がない場合は必要になることは少ないです。症状が強い場合や根治的治療が必要な状況では、カテーテルを使った治療法がありますので、ご相談ください。
脳梗塞予防(血栓予防)の目的で、血液をサラサラにして固まりにくくする薬を服用します。最近の研究では、65歳以上の方は、血栓予防薬を飲んだほうが良いと言われています。当院で、処方可能です。